幕が閉じてわかったこれからのこと、僕が向かう道。
6月2日 15時 僕は本多劇場の板の上で380人の拍手を受けた。
それは5月27日から始まった東京マハロ20周年記念公演
「可もなく不可もない戦争」の千秋楽の出来事。
この物語の構想が始まったのが確か半年ほど前。
セリフを書き出したのが確か3月23日だったと思う。
稽古初日は4月27日。
この時はまだ、千秋楽にスタンディングオベーションを受けるなんて
夢にも思っていなかった。
このキャスト陣と本多劇場の板の上で浴びる拍手は幸せ以外の何者でも無い。
渡辺哲さんは「本多で何十本と舞台やってるけど、あんなのは初めてだ」と言ってくれた。
お宮ちゃんと西野優希と春木は感動して泣いていた。
アサヌマと内谷さんは目がうるうるしていた。
福田は泣くのを我慢していた。
郁恵さんと和田は流石の振る舞いだった。
そんな私は、ちょっと戸惑っていた。
戸惑う理由は公演5日目のことが原因だ。
その日も超満員だった。
終演後、私は劇場ロビーでお客様のお見送りをしていた。
たくさんの方が私に嬉しいお言葉をかけてくれた。
ありがたいことに、嬉しいお言葉は初日から沢山いただいていた。
だから5日目にもなると、その言葉に少し慣れていたのは否めない。
しかしその日は違った。
とある初老の男性が勢いよく私の前に現れこう言った。
「君が矢島弘一か?」